毎日多くのゲストを迎える東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでは、ゲストが口にする食事や飲み物、またトイレや清掃用途などに、毎日大量の水が消費されています。一般家庭とは比べものにならない量の水が使用されているため、毎日どれくらいの水道代が掛かっているのか気になります。
そこで本記事では、様々な前提から、東京ディズニーリゾートが1日で使う水道量と水道代を試算してみました。
①東京ディズニーリゾートの1日あたりの水使用量
オリエンタルランドの公式ホームページによると、東京ディズニーリゾートの1年間の水の使用量は2560千m3です。これは、2020年度のデータとなります。
これを1日あたりの水使用量に換算すると、7千m3となります。
東京都の4人世帯の平均的な水使用量は、1日あたり0.81m3と言われています。東京ディズニーリゾートの1日の水使用量は、一般世帯約8640世帯分に相当します。
これは、千葉県の勝浦市(約7900世帯)や酒々井町(約9300世帯)の全世帯の水使用量を、東京ディズニーリゾートだけで使用していることになります。
②東京ディズニーリゾートでの水のリサイクル
東京ディズニーリゾートで毎日大量の水が使用されていることを先程お伝えしましたが、使用する全ての水を外部から購入しているわけではありません。
使用された水は、東京ディズニーリゾート内の水処理施設に送られて浄化されます。浄化された水は、トイレの洗浄水として再利用されています。1年間で使用される2560千m3のうち、460千m3はこの浄化された水を使用しています。
そのため、上水道から取得している水は、残りの2100千m3と見込まれます。
③東京ディズニーリゾートの水道代
水道料金は、主に使用水量を基に算出されます。また、各自治体の水道局が運営主体のため、場所によって水道料金が異なります。
東京ディズニーリゾートの所在地は千葉県ですが、千葉県の水道局の公式HPには、業務用の水道料金の掲載がありませんでした。そのため、神奈川県の業務用の水道料金を参考に試算しました。神奈川県の業務用の水道料金は1m3あたり約436円となります。
これを1年間の水使用量である2560千m3に掛けると、1年間あたりの水道代は約11億円になります。とてつもない金額ですね…
ちなみに、1日あたりの水道代に換算すると、約300万円となります。
④大量の水の使い道
一体、これだけの水を何に使っているのでしょうか。
まず挙げられるのが、レストランなどの飲食施設で使用される水です。食事の調理や食器の洗浄などに、多くの水が使用されています。
また、トイレでも大量の水が使用されています。東京ディズニーランド・シーの中には、30ヶ所以上のトイレが設置されており、毎日数万人のゲストが利用しています。
さらに、清掃にも多くの水が使用されています。パーク内の清掃の基準としては、「赤ちゃんがハイハイしても汚れないレベル」とも言われるほど徹底した清掃がなされており、ゲストのいない深夜の時間帯にはパークの地面を水で洗い流して掃除しています。
東京ディズニーシーは、海をテーマにしたパークということもあり、いたるところに水域が存在します。メディテレニアンハーバーをはじめとする水域の水は、循環ろ過システムを用いて常に高い水質が維持されています。しかし、晴れの日は水が自然蒸発することで自然に水量が減ってしまうため、減った分は水を追加する必要が出てきます。
このように、東京ディズニーリゾートではあらゆる場面で水が使われています。
⑤ゲスト一人当たりの負担額
オリエンタルランドの公式HPによると、2020年度の東京ディズニーリゾートの入園者数は、756万人となります。
この前提をもとに、ゲスト1人あたりの水道代の負担額を計算すると、約150円となります。パークチケット代のうち、約150円は水道代に充てられていることになります。
大量の水を毎日消費している東京ディズニーリゾートですが、自前の浄化設備を用いた水のリサイクルなど、環境への取り組みも進めています。そのため、今後は水の使用量は減っていく傾向になるかもしれません。