パークのシンボルといえば、東京ディズニーランドはシンデレラ城、東京ディズニーシーはプロメテウス火山です。これらのシンボル、実はパーク入口からは見えないようになっているのはご存知でしょうか?
今回は、パーク入口からシンボルが見えない理由について考えてみたいと思います。
パーク入口付近の設計
まずは東京ディズニーランドのパーク入口について考えてみます。
パークへの入口は一ヶ所で、入園ゲートが扇型に並んでいます。端の方の入園ゲートからは、ワールドバザールの大きな建物があるため、シンデレラ城を見ることができません。中央の入園ゲートからはシンデレラ城が見えると思いきや、入園してすぐのところにある円形の花壇が手前に傾いているため、シンデレラ城をほとんど見ることはできません。この花壇はイベント時にはモニュメントが飾られるため、なおさらシンデレラ城を見ることができなくなっています。
次に、東京ディズニーシーについても同様に考えてみたいと思います。
東京ディズニーシーの入園口は、東西二ヶ所に分かれています。そのため、どちらの入園口もプロメテウス火山を見ることができる場所に位置していません。入園直後も、ホテルミラコスタの建物があるため、すぐにプロメテウス火山の全景を拝むことはできないような造りになっています。
このように、東京ディズニーランドはワールドバザール、東京ディズニーシーはホテルミラコスタがあるため、入園後すぐに各シンボルが見えないような設計がなされています。
パーク入口からシンボルが見えない理由
ではなぜ、パーク入口からシンボルが見えないように設計されているのでしょうか。
それは、ゲストの期待感や高揚感を高める狙いがあるためだと考えられます。入園を待っている時や入園直後はシンボルが見えないようにして、ゲストのワクワク感を高めます。
そして、ゲストが入園してワールドバザール入口やホテルミラコスタの下をくぐると、目の前にはパークのシンボルが一気に広がり、ゲストの目を奪います。
パークのシンボルは、いわば「パークに来たという実感」を最も醸し出すものです。このような役割を果たすシンボルをあらかじめ見せないことでゲストを焦らした後にシンボルを見せることで、ゲストの気持ちをより高める効果があると考えられます。
以上のように、パークのシンボルを見せるタイミングを計算し設計することで、ゲストのワクワク感を醸し出す工夫がなされています。その日1日の始まりの気持ちは、パークを楽しむ上でも重要です。パークで過ごす1日を気持ちよく迎えて、思い切り楽しみましょう。